EC2のアップデート内容を整理してみました。(CMP255) #reinvent
こんにちは、ぬぬです。
re:Invent2022でEC2に関する新しい発表がありました。その中で、セッション「What`s new in Amazon EC2」で紹介されたEC2の新規情報について整理してみました。
AWS Nitro
第6世代ネットワーク最適化インスタンス
- ネットワーク帯域幅: 200Gbps
- 以前世代より、秒あたりパケット2倍向上
- ネットワーク仮想アプライアンス、Telco、およびインメモリデータベースワークロードのパフォーマンスを拡張
- EC2で一番早いEBSパフォーマンス
- 80Gbpsの帯域幅で、High performance File System, データベース、Big Data 分析が可能
AWS Nitro SSD
- AWS Nitro Systemで60%より低いレイテンシー
- 信頼性向上
- インスタンスのダウンタイムがない、早いファームウェアアップデートで信頼性向上
- Nitroセキュリティ
- AES-256で全てのデータをデスクに保管
Intel チップセット
I4i(ストレージ最適化インスタンス)
- 第3世代のIntel Xeonの拡張可能なパフォーマンス(Ice lake)
- 128 vCPUs, 1TiB memory, 75Gbps ネットワーキング, 30 TiBの高性能 AWS Nitro SSD VNMe ストレージ
- I3 インスタンスより30%安いコスト、60%減少されたストレージ I/O レイテンシー
- MS SQL サーバー、Oracleデータベース、NoSQLデータベースとデータ分析に推薦
Torn Write Prevention(TWP)
I4iインスタンスとEBSに適用されるTWPはWriteとレンジェクション中、システムの電源が消えてしまったり、OSに問題が発生しても(crash)16KiBのWrite作業が中断(torn)されないようにする機能です。
TWP機能の追加により、I4iタイプインスタンスやEBSはAWS Nitro SSDsが使用可能になり、高いパフォーマンスを低いコストで使用可能です。
C6id, M6id, R6id(第3世代 Xeon、NVMeストレージ)
NVMeストレージや第3世代の Intel Xeonプロセーサーのインスタンスタイプが新しくリリースされました。
- 早い速度や低いレイテンシーが必要なワークロードのため、7.6 TBのボロックレベルのローカルNVMe SSD
- 第5世代より15%良い価格比性能
- 2倍早いネットワーキングと20%高いメモリ帯域幅
- TME(Total Memory Encryption)サポート
R7iz(高周波のメモリ最適化インスタンス)
第4世代のIntel Xeon 拡張可能プロセーサーの高周波のメモリ最適化インスタンスです。
- 最大128 vCPUや1TiBメモリまで拡張可能(他HFインスタンス対比 最大2.6倍)
- 最大20%より高いパフォーマンス(他HFインスタンス対比)
- 最初のDDR5メモリのインスタンスで、他HFインスタンス対比最大2.4倍高いメモリ帯域幅提供
- 対象:Front-end Electronic Design Automation(EDA), コーアあたりライセンス手数料が高い関係型データベースワークロード、金融、データー分析など
Hpc6id
第3世代 Intel Xeon Scalable プロセーサーを使ったHPC用インスタンスです。
- 現世代HPCインスタンスより、Elastic Fabric Adaptor パフォーマンスが2倍向上
- x86 インスタンスに比べて、FEAのようなデータ集中的HPCワークロードで最大 2.2倍のコスト比パフォーマンス改善
- 1TBのインスタンスメモリ、15.2TBのNVMeストレージ
AMD チップセット
C6a, M6a, R6a
第3世代 AMD EPYCプロセーサー
- 最大 192 vCPU、1.5TiB メモリ、50 Gbps帯域幅、40Gbps EBS帯域幅
- M5a/R5aに比べて最大 35%、C5aに比べて最大15%の価格比性能
- 最大2.5倍早いネットワーキングと最大2倍早いEBS帯域幅
- 他x86 インスタンスに比べて10%安いコスト
- AMD Transparent Single Key Memory Encryption(TSME)支援
AWS Silicon
AWS Graviton 3
AWS Gravitonの第3世代が発表されました。
最大25%より高いパフォーマンス、DDR5メモリー、同パフォーマンス対比60%低いパワー使用などの改善があります。
AWS Nitro Enclaves Enhancement
AWS Nitro Enclavesを使うと、隔離されたコンピューティング環境を作ってデータを守って安全に処理が可能です。
ほとんどのGraviton, Intel, AMD基盤のインスタンスにサポートされます。そして、KUBERNETESを使うことも可能です。
Im4gn と Is4gen (AWS Graviton 2)
Im4gn と Is4gen インスタンスタイプは、AWS Graviton2 基盤のストレージ最適化インスタンスタイプです。
CPUコーア数、メモリと帯域幅に違いがあります。
- Im4gn
- 64コーアCPU、256 GiBメモリ、100 Gbps帯域幅
- I3インスタンスより、40%良い価格比性能、15%安いTBあたりのストレージコスト
- File systems, NoSQL databases, データ indexingと検索, データ分析に推薦
- Is4gen
- 32コーアCPU、192 GiBメモリ、50 Gbps帯域幅
- I3インスタンスより、45%良い価格比性能、15%安いTBあたりのストレージコスト
- File systems, streamプロセシングとreal-time データベース、ログ分析に推薦
C7g (AWS Graviton 3)
AWS Graviton 3のコンピューティング最適化インスタンスです。
- 最大 64 vCPU, 128 GiB メモリ, 30 Gbpsのネットワークパフォーマンス, 25 GbpsのEBSパフォーマンス
- Graviton2 より最大 25%の向上されたコンピューティング、2倍早いfloating-pointパフォーマンス
- DDR5(DDR4より50%広い帯域幅)
C7gn (AWS Graviton 3E)
- 最大 200 Gbpsの帯域幅、最大 50% 高い pack-processinパフォーマンス
- Graviton2 より最大 25%の向上されたコンピューティング、2倍早いfloating-pointパフォーマンス
- 推薦:ネットワーク集中的なワークロード、データ分析、CPU基盤のAI/ML
Hpc7g (AWS Graviton 3E)
Nitro v5 と AWS Graviton 3Eを使ったHPC用インスタンスです。
- HPCクラスタの効率的な拡張のため、EFAレイテンシー25%減少、ネットワークパフォーマンス2倍向上
- x86 インスタンス対比、パフォーマンス60%向上
- AWS ParalleClisterを利用したインスタンスの管理、デプロイ
Trn1(AWS Trainium)
Trn1インスタンスタイプはAWS Trainiumチップセットを使ったML用のインスタンスタイプです。
- 512 GiB HBM2 メモリ、800Gbpsのネットワーキングスループット、8TB のローカルNVMeストレージ
- Amazon EC2 UltraClustersに ペタビット規模のネットワーキング帯域幅の数万のTrainium acceleratorsのスーパーコンピューターをデプロイ可能
Inf2 (AWS Inferentia)
Inf2 インスタンスタイプはDL用チップのAWS Inferentia 2を使ったDL用インスタンスタイプです。
- 1000億個のパラメータモデルスケールのデプロイに最適化
- Inf1 インスタンスより、最大4倍高いスループット、最大10倍低いレイテンシー
- 最大12個の Inferentia2 accelerators、最大 384 GBの HBM2e accelerator メモリ
-
分散推論のための複数のアクセラレータ間の192GB/秒の直接接続を備えた最初の推論プラットフォーム
- PyTorch、TensorFlowとのネイティブ統合
- GPUベースのインスタンスより45%のパフォーマンス向上
Gravitonを使用可能な AWS マネージドサービス
- Databases
- Amazon DocumentDB
- Amazon Aurora
- Amazon RDS
- Amazon ElastiCache
- Amazon MemoryDB
- Amazon Neptune
- Analytics
- Amazon OpenSearch Service
- Amazon EMR
- Compute and containers
- AWS Lambda
- AWS Fargate
- AWS Elastic Beanstalk
- AmazonElastic Kubernetes Service(EKS)
- Amazon Elastic Container Service(ECS)
Apple Silicon
EC2のMacインスタンスが公開されました。
- Apple siliconのM1チップセット
- オンプレミスに比べて最大4倍のパフォーマンス、x86 Macインスタンスに比べて最大 60%良いコスト比パフォーマンス
最後に
今回もEC2に関する多様なアップデートがありました。個人的にはApple SiliconのM1インスタンスタイプの追加が気になりました。M1チップがクラウド環境でも使えるのは嬉しいことだと思います!